
『これからはじめるFigmaの本』(浅井桜著)レビュー・要約
Figmaをこれから学びたい、または少し触ったことはあるけれど体系的に学んだことがない——そんな人のための入門書が、浅井桜さんの『これからはじめるFigmaの本』です。
Figmaの基本操作だけでなく、実際にWeb・UIデザインを作りながら学べる構成になっているので、「独学だと全体像がつかめない」という人にとって心強い一冊です。
目次
【こんな人におすすめ】
- Figmaをこれから本格的に学びたいデザイン初心者
- 独学で触ってみたものの、UIデザインの流れがつかめていない人
- Webサイトやアプリの画面を自分でデザインしてみたいエンジニア・マーケター
- チーム開発でFigmaを使うことになったが、まだ基礎に不安があるビジネスパーソン
- 「フォトショやXDはハードルが高いけど、ブラウザだけで始められるツールから学びたい」という人
特に、「デザイン専業ではないけど、UIの理解と画面作成はできるようになりたい」という人にフィットする内容です。
【はじめに】
Figmaは、ブラウザだけで使えるUIデザインツールとして注目を集めています。インストール不要で、Windows・Macのどちらでも同じように扱え、チームで同時編集できるのが大きな強みです。
一方で、機能が多く、用語も独特なため、「触り始めたけど、どこから覚えればいいか分からない」という声もよく聞きます。
『これからはじめるFigmaの本』は、その"最初のつまづき"を解消するために書かれた入門書です。Figmaの画面構成や基本機能の説明から始まり、実際のWebページやアプリ画面を作りながらUIデザインの流れを体験できる構成になっています。単にツールのボタンの説明をするだけでなく、「デザイン制作の進め方」まで一緒に学べるのが特徴です。
図解や画面キャプチャが豊富なので、手元でFigmaを開きながらステップ通りに進めていくと、自然と操作が身体に染み込んでいくような感覚で学べます。
【要約】
本書の中心は、「Figmaで実際に画面を作りながら、UIデザインの基礎とツール操作を同時に身につける」という点にあります。
まず、アカウント作成や日本語化設定、プロジェクトとファイルの考え方など、最初につまづきやすいポイントをていねいに解説してくれます。
次に、フレームやレイアウトグリッドなど、画面設計の土台となる機能の使い方を学びます。ここでは、「とりあえずキャンバスにパーツを置いていく」のではなく、「どのサイズで、どんなレイアウトを前提にデザインするのか」を意識させる内容が印象的です。
ボタンやカード、ヘッダーなど、UIでよく使うパーツを組み合わせる過程で、コンポーネントやスタイルといったFigmaならではの概念にも自然と触れられるようになっています。
さらに、テキストやカラー、アイコン、画像の扱い方も実践的に解説されます。単に「ここをクリックすると色が変わります」という説明ではなく、「見やすくするためのコントラストの取り方」「ボタンやリンクとして認識されやすい見た目」など、UIデザインの基本原則とセットで学べるのがポイントです。
これにより、単に見た目がきれいなだけではなく、「使いやすさ」を意識した画面作りができるようになります。
また、プロトタイピング機能についても初心者向けにわかりやすく紹介されています。画面同士をリンクさせて遷移を設定したり、ホバー時のアニメーションや簡単なモーションをつける手順を追うことで、「画面のつながり」まで含めて体験を設計する感覚をつかめます。
実践パートでは、簡単なWebページやアプリ風の画面を作りながら、ワイヤーフレームからデザインへの落とし込み、そしてプロトタイプの作成までを一連の流れとして体験します。ここでは、情報の優先順位付けや、視線誘導を意識したレイアウト、余白の取り方など、UIデザインの基本が随所で解説されています。
終盤では、チームでのコラボレーションに触れ、コメント機能の使い方、バージョン管理、共有リンクの発行など、現場でよく使う機能も押さえています。
これにより、「個人で触るだけ」ではなく、実務でFigmaを使うときのイメージも持ちやすくなっています。
全体として、Figmaのインターフェースに慣れていない初心者でも、「作例をなぞるうちにUIデザインの基本と操作が身につく」ように構成された一冊です。
【感想】
この本の良さは、「Figmaの入門書」でありながら、「UIデザインの入門書」にもなっているところだと感じました。
ツールの説明に終始せず、「なぜこのレイアウトなのか」「なぜこのサイズ感なのか」といった"考え方"まで触れているので、読後に応用が利きやすいです。
特に印象的だったのは、作例ベースで進んでいく構成です。実際に一つのページを完成させる流れの中で、ショートカットや効率的な操作がさりげなく紹介されているので、「慣れた人の手つき」を真似しながらスキルアップできる感覚があります。
独学で触っていると自己流になりがちな部分を、きちんと整理してもらえるのは大きなメリットです。
また、エンジニアやディレクターなど、「デザイン専任ではないけれどFigmaを使う立場」の人にも向いていると感じました。UIのパーツ構成やコンポーネント化の考え方が分かると、デザイナーとの会話がスムーズになりますし、仕様のすり合わせもしやすくなります。
Figmaは機能がどんどん増えていくツールですが、本書は「まずここから押さえておけば大丈夫」という土台部分にフォーカスしているので、最初の一冊としてちょうどいいバランスです。
これからFigmaを使ってWeb・UIデザインをはじめたい人に、自信を持ってすすめられる内容だと感じました。